中国の旧正月は旧暦の12月31日です、旧暦ですので、日本のカレンダーと違い、1月中旬だったり下旬だったり、2月の上旬だったり、毎年旧正月の日付が変わってきます。
今年2021年の旧正月は2月12日(金曜日)で、大晦日は2月11日(木曜日)ですね。
※以下赤枠の部分
今回は、中国の旧正月の由来と旧正月に何をやっているかあたりをご紹介いたします。
旧正月の由来
旧正月の由来を語るには、2つのキーワードがあります。
1つは、「除夕」(ピンイン:chu2xi1、日本語:除夕、意味:大晦日)
もう一つは、「过年」(ピンイン:guo4nian2、意味:年越し)
です。
では、旧正月の由来についてお話ししましょう。
「夕」という怪獣
昔、「夕」という凶暴な怪獣がいました。
毎年末に出てきて、ものを壊したり、食糧を食べて荒らしたり、一説によると、若い女の子を乱暴して食べたり、とにかく人間に害をもたらす猛獣で、人々は年末になると山奥に逃げて、「夕」から身を守っていました。
「年」という子供
ある年の最後の日に、人々は山奥へ逃げる途中に、一人の7、8才の子供に遭いました。「なぜ逃げないか」と聞くと、子供は「みなさん、慌てる必要ありません、私に”夕”を追い返す方法がわかります。言う通りにやれば、もう山奥へ逃げる必要はありません」と言いました。
人々は半信半疑でしたが、逃げるより対策してみることにしました。
「夕」との戦い
そして夜がやってきました。人々は眠る気にはなれません。子供の話にしたがい、ドアの前に「赤い布」をかけ、庭に竹を置きました。また、冬は寒いので庭で火を起こし暖を取り、お腹空いたら用意した食べ物を食べていた。
夜、「夕」がやってきた。人々のドアに赤い布を見て、庭の中にとても明るい様子を見て、思わず避けるようになった。また、「夕」が他の家に近寄ると、人々は庭で起こした火と、火に投げ込まれた竹が「パン!パン!」という音を聞いて、びっくりして、慌てて逃げた。という。
これで、人々はやっと「夕」の撃退法がわかった。
「夕」は赤いもの、火、「パンパン!」という爆発音が怖いのです。
無事新しい一年を迎える
翌日、新しい年の始まりでもある日に、人々は新しい服をきて、友人や親戚の家に行って、お互い無事であることを報告し、翌年に「夕」が来ないように祈った。
その後、人々は、「夕」を撃退した日(一年の最後の日)を「除夕」と呼び、「夕」の撃退法を教えてくれた子供の名前は「年」というので、新年の1日目を「过年」(年を過ごす)と呼ぶようになりました。
習慣になった物
ドアにかけた赤い布は、現在の「春聯」になった。
竹を燃やす「パンパン」と言う音を出すのを、今の爆竹に変わった。
大晦日に事前に準備して食べた物は、今の「年夜饭」(日本でいうと「おせち料理」みたいな位置付け)になった。
新しい年のはじめに、人々が友人や親戚の家に行って、新年の挨拶をするというのも習慣になり、人々は「拜年」(年を拝む)と呼ぶ。
これらの習慣は、ほとんど「夕」という怪獣の駆除からきているという。
旧正月でやることは?
では、今の時代の旧正月に何をやるのか?
すでに記事の先頭で触れていますが、ここで再度おさらいしましょう!
春晚(春节联欢晚会)←中国語
大晦日の夜に、「春节联欢晚会」(略して「春晚」、日本の紅白歌合戦と同じ)があり、家族みんな揃って「春晚」を見ながら美味しいものを食べたり、飲んだりします。また、視聴率40%超えで、とても高いです。
年夜饭←中国語
大晦日に美味しいものを食べます!だいたい用意するメニューも決まっていて、例えば、
魚料理を食べる
魚→中国語だと「余」と同音なので、新年で(金が)余るようにという願いを込めた料理。
餃子を食べる
餃子も定番中の定番ですね。実家だとほぼ手作りの主餃子が大晦日に食べます。
餃子の「餃」は、侥幸(運が良い)の「侥」と同音なので、新しい年に「ラッキー」があるように。
麺類を食べる
麺もあります。麺は中国で長い→長寿という意味合いを持つ食べ物ですので、縁起が良いし、そこまで噛まなくても良いので、老人や子供にも人気な食べ物です。
春聯をドアに貼る
春聯は、ドア周りに年末に貼る「赤い紙」のものです。
紙なのでとてもやすいですが、有名人が筆で書いたものならば、そこそこの値段がします。
ただ、紙なので…すぐ壊れたり、取れたりもしますね。
爆竹
特に「除夕」の大晦日の夜に、みんな爆竹を放ちます。僕の実家は東北の遼寧省です。実家では窓を閉めていてもテレビの音が聞こえなくなるぐらい爆竹音がうるさいのです。
また、うるさいだけなら、まだましなのですが、とても危険なものもたくさんあります。
爆竹の危険性がわかる動画もありますので、ご覧になりたい方はこちらの記事をご参照ください。
「響くほうが縁起がよい」と言われているので、爆弾じゃないかと思うぐらいのものも、出てきたりしています。
これぐらいだと、もうダイナマイトですね、決して近づかないようにしてください。
爆竹の迫力(動画)
旧正月はいつまで?
基本は大晦日から旧暦の1月6日前後までの1週間が「旧正月」と言われている期間で、ガッツリ休んで良い期間になります。
ただ、旧正月モードは、大体「小年」(旧暦12/23)から「元宵节」(旧暦1/15)まで、約3週間は続きます。
近年は、二十年前と比べると、だいぶ休む時間が短くなったような気がしますが、二、三十年前は、正月1/15まで、街のスーパーとか、レストランとかも、やらなかった記憶はありました。
親戚みんな集まって、テレビをみたり、トランプ・麻雀をやったり、徹夜で飲んだり、一年中一番賑やかや休日ですね。
最後に
いかがでしたでしょうか。実は旧正月を過ごすのは、中国だけではなく、東南アジアや韓国も、旧暦正月を過ごす習慣はあります。
日本の場合は、西暦の元旦が主な年越し休日になりますが、在日の中国人も多いですし、同僚やご友人と一緒に、中華レストランで食事をしたり、中華街を回ると、旧正月の雰囲気は味わえると思います。
では今回はここまで。
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