「中国向けネット通販参入予定の方へ」越境ECに必要なものまとめ

中国向けEC参入予定の方のための「越境ECをやるのに必要なもの」まとめ 越境EC
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越境ECはこの2,3年のHOTキーワードであり、多くの事業者さまが積極的に参入されています。しかしながら残念なことに、成功事例より、失敗談を目する機会が多いような気がします。

ここでもう一度、越境ECという取り組みがどんなもので、何が必要なのか、それぞれの建付けにあたってのステップと注意点をご紹介いたします。

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越境ECとは

越境ECとは、通常のECと同様にインターネットを使った通信販売を指しますが、日本国内ではなく、直接海外の消費者に販売するビジネス形態を指します。

近年、訪日観光客が年々増えてきています。観光客たちは日本でお気に入りの商品を購入して持ち帰りますが、いつでも海外旅行できるというわけではありませんので、訪日の際には母国では入手しにくい日本製の消耗品(化粧品やオムツなど)を購入するニーズが高まっています。

中国を例に訪日外国人の母国での海外商品の購入事情を見てみると・・・
中国国内ではもちろん日本の商品を購入できます。ただし、精巧に模倣された偽物も横行しているのが事実です。そのため、国内での購入をやめて海外から買うか、購入代行に頼んで日本製の本物を確実に購入する消費志向があります。
また、購入代行は最近流行っていますが、それがあくまで個人の信用としてやっているだけで、保障も補償もすべて代行の個人次第のため、利用するのにリスクがあります。個人の購入代行については、また別の記事で最近の中国の法律改正も含めてご紹介します。

そこで越境ECが登場します。

日本の販売事業者からすると、越境ECを使って直接海外の消費者に購入してもらえれば、日本のマーケットだけではなく、海外マーケットにおいてもビジネスチャンスが生まれるわけなので、日本にいながらも、簡単に海外進出も実現できるというわけです。

越境ECを立ち上げるのに必要なもの

越境ECを立ち上げるのに必要なものを下記の図に簡単にまとめてみました。

真ん中の「多言語対応ECサイト」は、最終的に目指す越境ECの土台となるECサイトです。それを実現するために必要なものを、これから順次にご説明いたします。

まずはウェブサイト

前述の「越境ECまとめ図」では、真ん中の青い部分にあたります。

すべての土台になるウェブサイトなのですが、気にしないといけない点としては、主要消費者国からのアクセス速度と安定性です。

例えば、現状日本では主な海外消費国として中国がよく取り上げられますが、ときには中国からのアクセスが遮断される事象も発生するため、中国をメインターゲットにするならば、スムーズ、かつ、安定したアクセスを提供するウェブサーバーを選んだほうが良いです。

次は多言語対応のECカート

海外消費者から購入いただく際に、自分(母国)の言語が対応されていなければ、心配も躊躇の気持ちも湧いてきますので、しっかり多言語対応のECカートをご利用されたほうが良いです。

少し前までは、サイトにGoogle翻訳を導入し、そのままGoogleに翻訳されたコンテンツが表示されるサイトもありました。しかし、Google翻訳は精度が上がってきたとはいえ、まだまだ意図が伝わらない表現が多いので、おすすめしません。誤解がトラブルのもとだからです。

ショッピングカートを選定される際のご注意点としては

◆対応する文字コードが文字化けを起こす可能性があるか。

こちらは現在かなり統一されてきていますので、だいたいUTF-8なら問題ないかと思います。

◆基本の翻訳文がきちんと用意されているか。

こちらの検証は正直難しいですが、もし周りにその言語のネイティブがいれば、何ページかのサンプルを見ればだいたいのクオリティがわかってきます。

また、場合によっては中身の翻訳文を修正するニーズもでてきますので、簡単に翻訳修正ができるか、一箇所だけの修正で済むか、それともページごとに修正する必要があるか、も合わせて事前に確認したほうが良いです。

◆対応する決済手段

こちらもとても大事な選定ポイントです。

大体は多言語対応のショッピングカートには、多言語決済手段へ接続できますが、必ず主要な決済手段対応していることを事前に確認したほうが良いです。

もちろん、選択肢として、個別で決済機関につなげることも可能ですが、システム連携、精算などとても手間がかかりますので、あまりおすすめしません。

決済手段に関しては、次の「外貨決済機能」部分で詳しくご紹介します。

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外貨決済機能

外貨決済機能が越境ECにおいて最も重要な機能になります。

中国の消費者をメインターゲットとする場合、中国のメジャー決済のアリペイ(Alipay・中国名は「支付宝」)と、WechatPay(中国名は「微信支付」)が必須、銀聯決済も備えればなおベストです。また、その他国をメインターゲットにするならば、海外のクレジットカード決済機能も必要になります。

クレジットカードがあれば中国も大丈夫なのでは?とお考えの事業主様もいらっしゃいますが、実はクレジットカードが中国では普及していません。理由の一つは不正利用が多かったからです。もう一つは、アリペイのような第3者機関によるウォレット決済が、一般消費者の決済スタイルに染み込んでいるので、その習慣に合わせるのが一番良いということになります。

中国で一番利用される決済手段でいうと、アリペイが王道、次がwechatペイ、その次が銀聯になります。ただ、訪日インバウンド客が使う決済手段となれば、また少し違うことになりますが、こちらも別のコラムでご紹介することにします。

前述の「多言語対応ECカート」で、対応する決済手段を言及しましたが、事業者さまにおかれまして、ECカートと決済手段を別々で導入するというのが面倒ですし、管理も煩雑なので、ECカートに上記で取り上げた海外の決済手段に対応している、というのが一番手っ取り早いです。

また、決済手段を導入にあたって、それぞれの決済手数料と初期導入費用、月額費用、事業主さまの商材に対する決済機関側の審査が発生します。最初からすべての決済手段に対応するのが、なかなか難しいのですので、まずはメイン決済を押さえれば良いと思います。

多言語化対応

多言語ECカートで対応しているからいいんじゃない?とお考えの事業主様もいると思いますが、ここでいう多言語化対応は、ECカート以外のページの対応を指します。

例えば、FAQ、トラブル・返品・返金時の対応、会社の説明などの翻訳も必要ですし、個別商品の説明も都度用意する必要があります。もしカートの機能で一緒にできるならなお良いですが、カート側についていなければ別途用意する必要があります。

※弊社は、商品の中国語翻訳のサービスをご用意しており、個別商品の翻訳からWEBサイトコンテンツの翻訳サービスも提供しておりますので、お困りの際はまず、お気軽に お問い合わせ いただければ、詳細をご説明いたします。

配送・物流

配送・物流は越境ECを運用するにあたって、もっとも要となる部分です。大きく2つの方法がありますが、一つは、日本から直接海外へ発送するタイプ。もう一つは、海外の現地から発送するタイプですが、それぞれメリットとデメリットがあります。

日本から直送する場合のメリットは、注文が発生したら発送するため、現在の日本での在庫管理および発送のフローを変えなくても良いところです。デメリットとしては、毎回海外への発送料がかかるのと、時間がかかる、また税関通過する際に荷物を紛失する可能性、余計に税金を取られる可能性もあります。

海外現地から発送する場合、メリットはもちろんタイムリーに消費者に届けられ、配送料も国際便より安価になるところですが、デメリットとして海外での拠点もしくは倉庫を構える必要がある部分です。

この2つの物流タイプはどちらが良いか、事業者さまの現状と海外消費者の購買状況によって、選び方も変わってきます。

資金力のある事業者様なら、直接海外での在庫保管、発送を考えても良いと思います。中小企業の事業主様においては、最初は日本から直送タイプのほうがスタートしやすいと思います。

ここでもう一つのポイントを事前に考える必要があります。それが「返品」「商品交換」です。

日本国内ならば、物流サービスが成熟していますが、海外となると、どこへ返品してどうやって日本に戻ってくる、返送料をどうするか、などを事前に考えないといけません。

また、これに付随して発生するのは、返金、*チャージバックです。これらは決済サービスを提供している決済会社が対応していますが、細かい仕様を必ず事前に確認しておきましょう。

*チャージバック
クレジットカード会員が不正利用等の理由により利用代金の決済に同意しない場合に、クレジットカード会社がその利用代金の売上を取り消すこと。 その結果、EC加盟店はその利用代金をカード会社に返金しなければならず、商品も返ってこないため、損害が発生します
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集客・販売促進

これまでご紹介したのは、越境ECビジネスを運営するにあたって準備しておかなければビジネスとして成立しない根幹的な部分でしたが、このパートでご紹介する「集客・販売促進」はビジネスとして成功させるのに必要不可欠の部分であり、もっとも重要なパートです。

お客さまが来なければ商売にはなりませんからね。

事業主さまが、どんなに仕組みの立て付けに没頭し万全を尽くしても、いざサービスを開始したら、サイトの訪問数が少なく、売上より固定費が重くなって赤字に陥ってしまうというケースもよく耳にします。そうならないために、集客・販売促進のプランもしっかり検討しておく必要があります。

中国向けの販促例としては、中国人の利用率が高いSNS wechat(ウィーチャット・微信)の公式アカウントを開設して、ファンを集めるのが比較的に労を要することなく効果的です。
もう一つの手法として、旅行で来日する中国人に触ってもらい、試してもらって、その感想や写真を中国の友人に伝えてもらうクチコミやSNSでの拡散も、効果的な集客手段です。結局、いきなり海外の商品を購入するのが、消費者心理的にも難しく、触れて中身がわかって使って信頼してからリピートしていただくほうが、*ライフタイムバリュー(LTV)も長く保てると思います。

*ライフタイムバリュー(LTV)
Life Time Value(ライフ タイム バリュー)の略で、「顧客生涯価値」と訳される。 一人、あるいは一社の顧客が、特定の企業やブランドと取り引きを始めてから終わりまでの期間(顧客ライフサイクル)内にどれだけの利益をもたらすのかを算出したもの

まとめ

いかがでしたでしょうか。本記事では、越境ECを始めるのに必要な事前情報と注意点をまとめてきました。越境ECをご検討の事業主さまにぜひ、建付け時の注意点、予備知識として理解していただければ幸いです。

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コメント

  1. masataka より:

    これからもっと需要が増えるとても見やすいサイトだと思います。更新、頑張ってください。

  2. […] 「中国向けネット通販参入予定の方へ」越境ECに必要なものまとめ […]

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